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携帯に 空々しき声 木霊する 春呼ぶ雨は 雪より寒し
<読み>
けいたいに そらぞらしきこえ こだまする はるよぶあめは ゆきよりさむし
<意味>
旧友から受けた携帯電話の向こうでは、空々しい声が響き渡っている。春を呼ぶ雨は、雪より寒い。
<解説>
今回の東京の冬は、積雪を観ずに終わりそうである。それにも関わらずに、ここ数日降り続く小雨は、何故か冷たい。来週には3月(March)、春ももうすぐの筈なのに....。と、いうのが下の句である。
その十四文字の上に据える言葉は、旧友からの電話の声の空々しさ。本来ならば、懐かしい響きをもって聴こえてくる筈が何故? その旧友と作者の過去の係わりや、電話の内容を思わず邪推したくなる様な、歌である。