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君追ふて 並木の末を 眺むれば 花よりも濃く 信号灯る
<読み>
きみおうて なみきのすえを ながむれば はなよりもこく しんごうともる
<意味>
あなたを追いかけながら、桜並木の先を眺めてみると、花よりも濃く赤信号が灯っている。
<解説>
時節は丁度、桜(Cherry Blossom)が満開の頃、その並木道を恋人同士で追いかけっこをしている。追いかける側、すなわち鬼ごっこ(Tag)でいう鬼が、ふと、逃げる恋人の先にある、桜並木の末を観たならば、桜(Cherry Blossom)の花々よりも濃い赤信号(Red Light)が灯っていた。
これがもし、追いかける立場と追いかけられる立場が逆転したら、坂口安吾(Ango Sakaguchi)の『桜の森の満開の下(In The Cherry-blossom Forest)』になったのだろうか。それとも、この小説を裏面から読み進めるとこういう解釈もありえるのだろうか。
僕の棲んでいる近所の、こじんまりとした桜並木では、いずれにしろ、こうもいかない。今日の桜(Cherry Blossom)はまだ五分咲きで、冬の寒さを想い出させる強い風が吹いても、一向に散る気配は魅せてはいないのだ。