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微睡みて 逢ふたる君は 稚かる 失せし指輪を 弄びたり
<読み>
まどろみて おうたるきみは おさなかる うせしゆびわを もてあそびたり
<意味>
微睡んで観た夢の中のあなたは幼くて、失くしてしまった指輪を、弄んでいた。
<解説>
夢の中で逢った「君」は、誰だろう。そして、その「君」が「稚い」とあるが、そんな「稚い」頃からの、いわば、幼馴染 (A Childhood Friend)の事だろうか。それとも、写真や映像で観た「稚い」「君」を観た記憶が育んだのだろうか。いずれにしろ、夢である。だから、失ってしまった「指輪 (The Ring)」を彼が弄んでいても、不思議ではない。不思議ではないが、彼がその原因をつくってしまったのか、それとも、現在の「君」との関係性が失くしてしまった「指輪 (The Ring)」を想起させるのか。
「君」と「指輪 (The Ring) 」そして作者、この三者の関係を如何に設定するかによって、解釈の巾はものすごく広がる。
微睡んで、とあるから日中、寝とぼけたのであろう。「仕事しろ、仕事を」と、書くと身も蓋もないのだけれども。