<画像:20090910.jpg>
青空に 朱を一線 クレーン立つ 抗ふ秋の 蝉の声は大
<読み>
あおぞらに あけをいっせん くれーんたつ あらがうあきの せみのこえはだい
<意味>
青空を背景にして、朱色の直線をひいたかの様にクレーンが立っている。秋に抵抗するかの様に、蝉の声は一際大きい。
<解説>
まるで「ミシンと洋傘との手術台のうえの、不意の出逢い」の様な、情景を詠んだ歌である。しかし、その一方で、クレーン (Crane) に象徴される工事現場の騒音と蝉 (Cicada) の声の対比と観れば、いくらでも深読みが出来てしまう。
例えば、環境破壊とか?
それよりも、白い大きな紙の中央をすうっと剃刀で切った様な、快感がこの歌にはある。