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世界陸上とかなでしこジャパンとかプロ野球とか、各局スポーツ放送に血道をあげているのに背を向けて”失恋48連発”の第1発目『男はつらいよ』を観た。
寅さん(=渥美清)の初登場シーンはダボシャツぢゃあなくてネクタイ締めていたとか、さくら(=倍賞千恵子)は、どことなく仲間由紀恵に似ているなぁとか、まぁ、いろいろな細かいボケ/ツッコミ・ネタは、例によっていろいろとあるんだけれども...。
一番驚いたのは、御前様(=笠智衆)とその娘冬子(=光本幸子)つまり初代マドンナに奈良で偶然出会った寅次郎が、二人のお供でとらやに舞い戻るシーン。と、いうか、その直前のシーン。
寅次郎と出会ったいきさつが書かれた、冬子が奈良から出した手紙を話題にとらやの人々が、寅次郎の消息を延々と推測している矢先に、冬子がとらやに現れる。おいちゃん(=森川信)とおばちゃん(=三崎千恵子)がばたばたと店先のテーブルをかたして、冬子に席を用意して、おいちゃんがあたふたとテーブルを拭きぃのお茶を出しいぃのと細かい演技が続いていく。その真っ最中に寅次郎が登場する訳だけれども、その手際の良さが目を引いた。冬子が退場するまでのこの間、記憶に間違えがなければ、ワンシーンワンカットだった筈。
下町の機微に溢れた人情味と、独特の落ち着きのなさ(絶えず、手と口がちゃっちゃかちゃっちゃか動いているあの感じ。そう言えば、幼い頃、よく母親に口ばかり動かしてないで手を動かしなさいって叱られたもんです)の描写が凄いなぁと思いましたよ。
森川信いいよね。
あともうひとつ書くとすれば、さくらと結婚する博(=前田吟)の父親役の志村喬。出てくるだけで空気感が一変します。さすが東宝 怪獣と何度となく大立ち回りを演じた...って、違うやろ!!
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