冬ノ終リニ詠メル[040)るいの歌集(仮)]
(2010-03-12 00:55:47) by =oyo=


<画像:20100311.jpg>
忘るなと 遅れ来る冬 掌かじかむ 逆光の中 きみみうしなふ

るい詠める

<読み>
わするなと おくれくるふゆ てかじかむ ぎゃっこうのなか きみみうしなう

<意味>
[この冬の寒さを] 忘れるなと遅れて来た冬の気配で掌がかじかむ。逆光がさす中、あなたを見失う。

<解説>
三月に入って本来ならば花の便りに浮かれるこの時季に、想わぬ程の厳しい寒さが訪れた。それはまるで、この冬の寒さが名残を惜しんで、最後の最後に残したものかもしれない。だから、結句に顕われる「きみ」は、冬そのものをさすのかもしれない。少なくとも、久しぶりに暖かい陽射しに恵まれた東京では、ついここ数日の事も、忘れ去ってしまっているからだ。

(この項:たい)


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