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渡る橋 躊躇ふ我の 心かは 川面の芥 陽炎揺らぐ
<読み>
わたるはし ためらうわれの こころかは かわものあくた かげろうゆらぐ
<意味>
橋を渡る際に、躊躇しているわたしの気持ちなのだろうか。否、そんな事はない。川面には塵芥が浮かび、陽炎が揺らいでいる。
<解説>
「ルビコン河を渡る (Crossing The Rubicon)」という語句を引用するまでもなく、「川を渡る」もしくは「橋を渡る」のは、なにかを決断した際の、比喩である。
その一方で、「芥 (Refuse)」も「陽炎 (Shimmer)」も、儚いもの、とるにたらないものの、比喩である。
何かを決断して、行動を起こそうとする際に、こころのどこかにわだかまりやこだわりが浮かんで、その決意を鈍らせるのも、よくある事である。しかも、それは、意外に、ちいさい問題や些細な事象である事が多いものだ。
第三句の係助詞「かは」は、疑問や反語を表すが、ここでは反語に解釈してみた。