待つ女は 陽傘の下で 頸拭ふ 緑の中に 朱映ゆれども
<読み>
まつひとは ひがさのしたで くびぬぐう みどりのなかに あけはゆれども
<意味>
[信号を] 待つその女性は、陽傘の下で、頸の汗を拭っている。碧の樹々の中に朱色の花々が映えているのだけれども。
<解説>
梅雨入りもまだなのに、今日は終日暑かった。陽射しも既に、真夏の様な輝きをみせている。
碧と朱色の対比の中に、第二句の「陽傘の下」という語句が想像させる、黒が入る。個人的には、その信号待ちをしている女性の頸筋は、白ければ白い程、いいなぁと思う。