<画像>
かき抱かれ 紅く濡れにし 彼が唇は 我が精なりや 彼が愛なりや
<読み>
かきいだかれ あかくぬれにし あがくちは わがせいなりや あがあいなりや
<意味>
あなたに抱かれていると、あなたの唇があかく濡れている。このあかいものは、わたしの魂(=生)だろうか、あなたが愛している証拠だろうか?
<解説>
「赤い月〜」(夏至前夜ニ詠メル)と同趣向の歌。但し、今回の作品がよりダイレクトにエロス(=愛)とタナトス(=死)をうたっている。濃密な愛の歌である。
また、各句に「a」音を重ねて韻を踏んでいる事も詩情を高め、効果的である。
cf:参照せよ!