<画像>
戦きて 怯ゆる我を 抱きしめる 君が瞳は 涼やかなりき
<読み>
おののきて おびゆるわれを だきしめる きみがひとみは すずやかなりき
<意味>
戦々恐々として怯えているいるわたしを抱きしめるあなたの瞳は涼しげであったなぁ。
<解説>
見えない恐怖に怯える作者を抱きしめる恋人は、逞しく、頼もしく思える。作者が自身の恋人を如何に信頼しているかをうたった歌ととれる。
が、その一方で、この歌の次に「かき抱かれ〜」(血ヲ吸ワレシ夜ヲ詠メル)をよむと、恋人の相貌が全く異なるものに見えてくる。
両義的な解釈が可能な歌である。