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肌理にふるる つつじの紅きは しとど濡れ 春の嵐の朝に 悶えり
<読み>
きめにふるる つつじのあかきは しとどぬれ はるのあらしのあさに もだえり
<意味>
肌に触れている紅いつつじは降った雨に酷く濡れて、春の嵐の朝に悶えている。
<解説>
一昨夜に降った激しい雨は、日中にはすっかりあがり、夏の暑さを予感させる陽射しをもたらした。その雨の最中の夜半に促された、感情の昂りを詠んだ歌だろう。
第二句のつつじ (Azalea) に仮託されたモノはなにか、様々な解釈が可能だと思う。
六・八・五・十・四という破調で字余りの構成は、雨の激しさやそれによってもたらされた感情の起伏の激しさを物語っている様だ。
初句「ふるる」は「触るる」と「降るる」の掛詞。