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冬の陽に 数を頼りに 鳴く烏かな 知るをや吾が夜 きみ居るのみを
<読み>
ふゆのひに かずをたよりに なくうかな しるをやあがよ きみおるのみを
<意味>
冬の太陽を浴びて [群れ集って] 数を頼りに鳴いている烏は、知っているのだろうか [否、知らない]、わたしの夜はあなたひとりだけがいると。
<解説>
いつのまにか立冬 (Lidong) になっていて、急に寒くなったと思ったら、実はこれが平年並みか平年以上の気温だと言う。季節季節に体感する寒暖を、いくつか端折られてしまった様な気がして、心持ちはおろか体感的にも追いついていない様な気がする。
そんな初冬の、冬の朝とその夜の対比。無数と一者との対比。
上句の「烏」は勿論、烏合の衆 (Mob or Disorderly Crowd) の謂いで、単純に朝群れ飛んでいる烏 (Crow) の事だけではないだろう。群飛んでいる烏 (Crow) ならば、智性は相当に高い筈だから、ニンゲンどもの夜々の営みなぞご明察かもしれない。
第四句「知るをや」は、ラ行四段動詞「知る」連体形+格助詞「を」+係助詞「や」で、反語の表現である。