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一夜独り かへりみる陽は 無念かな 凍夜に永久にと 封ぜられたし
<読み>
ひとやひとり かえりみるひは むねんかな とうやによとわにと ふうぜられたし
<意味>
独りで一夜を明かして省みる太陽は無念だろうか。いっその事、凍える夜に永久に封じ込められたい。
<解説>
朝起きて、布団から出るのが億劫な季節がやってきた。しかも、天候も不順だから、覚醒めるべき時間になっても外は暗く、その上に重い雲が覆っている。
ここに描かれているのは、体感的な寒さではなくてこころの寒さである。だから、本来ならば、朝陽を浴びて、新しい一日の訪れを喜ぶべきを、悔悟や悔悛の情が沸き起こる。こんな気持ちになってしまうのならば、いっその事、朝なぞ来なければいいのに。という趣旨の歌である。
初句と第四句に同音を重ねて、ことばの響きを導き出そうとしている。