暁ニ眠レズヲ詠メル[040)るいの歌集(仮)]
(2012-03-29 23:18:47) by =oyo=


<画像:20120329_1038~010001.jpg>
いかがせむ 我身ひとつの 在り処 悶へてあけぬ 春はあけぼの

るい詠める

<読み>
いかがせん わがみひとつのありどころ もだえてあけぬ はるはあけぼの

<意味>
どうしようもない、わたし独り [の身もこころも] 落ち着くその居場所がない。そんな風に悶えていたら夜があけて [清少納言の『枕草子』とは程遠い] 「春はあけぼの」を迎えてしまった。

<解説>
この時季は一日の寒暖の差が激しかったり、所謂三寒四温の日々が続くから、ふと気が緩むと体調不良に陥ってしまいがちである [皆さん、ご自愛願いますね]。『春眠不覺曉 (In spring one sleeps a sleep that knows no dawn.)』とはいうものの、それとは逆に気が休まらずに、不眠の日々が続く事も多いものである。
そんな一夜を詠んだ歌。
結句は、清少納言 (Sei Shonagon) の『枕草子 (The Pillow Book)』第一段 ( In Spring It Is The Dawn)、その冒頭の有名な文をそのまま本歌取りしたもの。こういう形で、こういう意図で引用されると、『枕草子 (The Pillow Book)』第一段 ( In Spring It Is The Dawn) で綴られる春の日の出の風景は、かなり逆説的な言辞であると、気づかされる。
春眠不覺曉 (In spring one sleeps a sleep that knows no dawn.)』だからこその、迎える朝の清々しさ、というわけなのである。

(この項:たい)


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