<画像>
逝く夏を 探しあぐねて 捕蟲網 夕暮れ迫りて ただ空を舞う
<読み>
ゆくなつを さがしあぐねて ほちゅうあみ ゆうぐれせまりて ただそらをまう
<意味>
去り行く夏の面影を探しあぐねているのだろうか、夕暮れが迫っている中、いたずらに捕蟲網が振り回されているよ。
<解説>
都会のど真ん中とはいえ、樹々が茂れる場所には蝉が鳴き蜻蛉も戯れる。子供達は去る夏を惜しむかの様に、もしくは未だに真夏であるかの様に、蟲取りに励む。しかしながら、あんなに永かった陽も、次第次第に短くなり、子供達にも帰宅時間が迫ってきている。季節の移り変わりを活写した秀歌である。