雷ノ夕ヲ詠メル[040)るいの歌集(仮)]
(2012-05-10 23:32:18) by =oyo=


<画像:20120510_1455~01.jpg>
谺する 薄闇に独り 轟く音 いつかの夜の 吾が喜悦やは

るい詠める

<読み>
こだまする うすやみにひとり とどろくね いつかのよるの あがきえつやは

<意味>
薄闇の中に独りでいると、[雷鳴の] 轟く音とそれに谺する音 [が聴こえる]。いつの夜なのだろうか5日の夜なのだろうか、その際の私の喜悦の声なのだろうか、否、そうではない。

<解説>
最初に技巧と文法を説明しておく。
第4句「いつか」は「何時か」と「5日」の掛詞。ただし、時を確定出来ない前者と時を限定する後者、そのそれぞれの意を汲んで訳出するのは困難である [上ではあえてそれを試みてみた]。だから、両義を含んだいずれの解釈も可能な歌であると理解して、鑑賞すればよいのであろう。
結句「やは」は係助詞、反語として訳す。
歌の趣旨は、孤独な時にその不安を煽る音と同時に、もうひとつの音が聴こえる、その音はかつての歓びに満ちたモノなのだろうか、という様なモノなのだろう。

(この項:たい)


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