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眼帯下 みえなき傷が うむと言ふ きみの二心と 媾合ふ我ゆへ
<読み>
がんたいか みえなききずが うむという きみのにしんと まぐわうわれゆえ
<意味>
眼帯の下にあるみえない傷が啼きながら、厭きたとも膿みがあるとも言っている。それはあなたの二心を知りながら、抱かれているわたしだからである。
<解説>
第2句「なき」は「無き」と「泣き」の、第3句「うむ」は「倦む」と「膿む」の、それぞれの掛詞。それを前提にして<意味>を書くと、上の様に少し混乱した文章になってしまうが、状況は理解出来ると想う [ちなみに、第3句を「産む」との掛詞として解釈する事も可能だけれども、そうすると、よりヘヴィーでシリアスな歌になってしまう]。
それよりも詞書の方が謎を孕んでいる様な気がするので、こちらの方の解釈を披露すれば、「観たいモノだけを観たいと想って [眼帯をつけて] みたけれども」という様なモノになるのであろうか。
それならばむしろ、二心を持っている相手の方に、眼帯をつけさせるべきでは、とも思うが、それはそれでまた身勝手な論理と批難されるのに違いない。