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鳴神に 独り雨の夜 悶え居り 遊女真似びて 紅あかあかと
<読み>
なるかみに ひとりあめのよ もだえおり ゆうじょまねびて べにあかあかと
<意味>
雷がなっていて、ひとりっきりの雨の夜に悶えている。遊女の真似をして、紅い口紅をあかあかとさす。
<解説>
列島を駆け抜けた台風4号は、この地域では夕刻から深夜にかけて、激しい雨と風が襲った。そして、その後も置かずに、今度は台風5号が温帯低気圧 (Extratropical Cyclone) と化して、梅雨前線 (Stationary Front) を刺激している。日中はいつ降り出してもおかしくない様な曇天で、しかも、湿度ばかりが高く、心持ちも落ち着かない。
そんな夜の孤独を詠んだ歌。
下句は、不安を消し去る為の遊び心とも解釈出来るし、それとは真逆の、そうせざるを得ない切実ななにかとも解釈出来るが、どちらを選ぶかはこれを詠むヒトそれぞれ。
そして、真似びた遊女の許に、その夜、馴染みの客が顕われるか否かも、ヒトそれぞれ。