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眩しや陽 西施真似びて 額に掌 肌と肌の間 じんわりと汗
<読み>
まぶしやひ せいしまねびて ひたいにて はだとはだのま じんわりとあせ
<意味>
眩しい陽射しなので、西施の様に眉間を顰めながら、額に掌を翳す。肌と肌が触れている間にはじんわりと汗が滲む。
<解説>
第2句に登場する西施 (Xi Shi) は、王昭君 (Wang Zhaojun)、貂蝉 (Diaochan)、楊貴妃 (Yang Guifei) と並んで中国四大美女と評せられるヒト。言わずと知れた、故事成語『顰に倣う (Follow Somebody's Steps Blindly)』の基となったヒトである。
週の前半は不順な天候で、いかにも梅雨の真ただ中 [大雨に被災された地域の方々には御見舞申し上げます] という面持ちだったが、ここ数日は晴間も覗く。しかも、その晴間、体感的には、真夏の陽射し以上に感じられるのも、雨の中の薄暗さに馴染んでしまったからであろうか。
その陽射しの下では、夏本番の声も囁かれるが、実際の梅雨明けは、もう少し先になるらしい。
短歌自体にちょっと言及しておくと、体言止めを多用して、語尾の語感を強調した上で、第2句、第3句、そして結句をE音で統一させて韻律を産み出そうとしている。