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急くや急く 辿りて追ふても え踏めざる吾 真夏の陽の下 きみ追ふ影踏み
<読み>
せくやせく たどりておうても えふめざるあ まなつのひのもと きみおうかげふみ
<意味>
急いでいるし焦ってもいる。[あなたを後を] 辿って追っても、踏む事が出来ないわたし。真夏の太陽の下で行う、あなたを追う影踏み [の様だ]。
<解説>
影踏みという遊びは、通常は、例えば秋口の日暮れ時、長い影が伸びている時季に行われるモノである。逃げるモノの影、追うモノの影、そしてそれぞれを隠してしまう障害物の影、
そのそれぞれの影の長さが、想わぬゲーム展開を呼び、愉しいモノとなる。
だから、真夏の日中には先ず行われないし、例え、行ったとしても、踏みあうべき影自体が、非常にちいさくなっているから、険しくて厳しいモノにならざるを得ない。
ここ数日の暑さ、真夏日やら猛暑日ならば、なおさらの事である。
だから、この歌を実際の影踏みと解するのではなく、「きみ」と「吾」を巡る、ふたりの関係の比喩としてみた。
勿論、実際の炎天下の影踏みと詠んでも、歌は成立するが、その際には水分補給等、熱中症 (Hyperthermia) 対策だけはお忘れなく。
第3句は副詞「え」 + 打消の助動詞「ず」連体形で、不可能の意、「〜できない」と訳す。