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寝付かれぬ 夜の果てにや 寝着乱る 憂し吾がこころ 既にあきなれど
<読み>
ねつかれぬ よるのはてにや しんいみだる うしあがこころ すでにあきなれど
<意味>
寝付かれぬ夜の果てだからだろうか寝着が乱れている。憂鬱なわたしのこころには既に秋が来ているのだが。
<解説>
相変わらずの猛暑日と熱帯夜が続き、今年の夏の暑さは一体、いつまで続くのだろうか。もしかしたら、果てもないのだろうか、とも思えてしまう、ここ数日である。だから、いつまでも寝苦しい日々が続き、その結果、寝乱れてしまっている己に気づかされる。だが、その心情は、夏のそれというよりも、秋の最中の物憂さに似ているのかもしれない。
第2句「にや」は断定の助動詞「なり」連用形 + 疑問の係助詞「や」で、通常「あらむ」等の語句が省略されている。「〜であろうか」と疑問もしくは反語の意味となる [今回は前後の文意を踏まえれば疑問の意味になる]。なお、疑問の係助詞「や」の存在によって、係り結びが成立し、省略されている語句は、連体形となる。
あえて<意味>には反映させていないけれども、「あき」は「秋」と「飽き」の掛詞とも読める。その場合は一体、なにに対して「飽き」ているのだろうか。夏の暑さかそれとも。