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覚醒むれど 闇の帷も あかぬ閨 夢に戻るは いまや叶わぬ
<読み>
めざむれど やみのとばりも あかぬねや ゆめにもどるは いまやかなわぬ
<意味>
覚醒めてみたけれども、闇の帷もまだあけない寝室である。[再び眠って] 夢に戻る事も今となっては、叶わない。
<解説>
未だ続く日中の暑さに煽られて、まだまだ夏の真っただ中と思いきや、既に季節は変わりつつあるのである。日毎に日中の時間は短くなり、夜毎に夜間の時間は永くなる。
ただ、この歌では、そんな季節の微妙な変化とは別のモノが詠われている様である。
ふと深夜に覚醒してしまった気がかりと、そして、その気がかりが寝付かせてくれないのである。
それは、第2句に「闇の帷も」とある様に、言外に、もうひとつ「あかぬ」モノがあると匂わせている事からも解る。