雨ニ濡レテ詠メル[040)るいの歌集(仮)]
(2012-10-18 23:28:25) by =oyo=


<画像:20121018_1413~02.jpg>
神無月 黙すふたりに ひと雫 冬の予感に あきを忘るる

るい詠める

<読み>
かんなづき もくすふたりに ひとしずく ふゆのよかんに あきをわするる

<意味>
10月に、沈黙のふたりに一雫の雨が落ちる。冬を予感させるその雨粒に秋を忘れる。

<解説>
今日は朝から小雨混じりの模様で、しかも、寒々強いばかりなのであった。
その恋人達は、膠着していたのであろう。その気まずい沈黙の一瞬に、雨が一雫。
その雨がどの様な結果をもたらしたのかは、実は如何様にも解釈出来る。
第4句の「冬の予感」に注視すれば、ふたりの関係はさらに冷え込んだモノになりつある様に読める。しかし、結句の「秋」と「飽き」の掛詞と解釈したら、どうだろう。新たな解釈の余地もあるのだ。
猶、初句「神無月」は10月の異名。この時季、全国津々浦々の神々が出雲大社 (Izumo-taisha) に集い、その結果、それぞれの地域の神々が不在となる、そんな言伝えに呼応して出来た呼び名だ [だから逆に出雲大社 (Izumo-taisha) ではこの時季を神在月と呼ぶ]。
と、言う事は、神の救いの手も差し伸べられないふたりに、一雫の雨が落ちた、という穿った解釈も可能かもしれない。

(この項:たい)


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