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乗りて降りて 一駅毎に 寄する波 行方定めぬ 椰子にあらねど
<読み>
のりておりて ひとえきごとに よするなみ ゆくえさだめぬ やしにはあらねど
<意味>
乗ったり降りたり、一駅毎に寄せる波の様だ。[その波に翻弄されているわたしは] 行方も阿定めぬまま、[波間を漂う] 椰子の実ではないのだけれども。
<解説>
通勤時間に限った事ではないけれども、混んでいる電車の、その乗降口近くに佇んでいると、ヒトの乗り降りにあわせて、己の位置が移動する。降りるヒトの為に自ら降りて、場所を空ける等は、酷い時には一駅毎に行わなければならない事も、しばしばの事である。無論、それはエチケットでありマナーではあるのだけれども、時として、理不尽な場面に遭遇したりすると、己自身だけでは身のままならない状況に、ストレスを感じてしまう事もあるだろう。
そんな感興を、唱歌『椰子の実 』 [作詞;島崎藤村 (Toson Shimazaki) 作曲:大中寅二 1936年発表] の主人公、椰子の実 (Palmae) を引き合いに出して、詠った歌。