師走ノ喧噪ヲ離レテ詠メル[040)るいの歌集(仮)]
(2012-12-13 23:35:47) by =oyo=


< ページ移動: 1 2 >

<画像:20121213_1618~01.jpg>
夕の化粧 鏡に映ゆる 灰かぶり 流行の眉の弧 描きてはみても

るい詠める

<読み>
ゆうのけわい かがみにはゆる はいかぶり はやりのまゆのこ えがきてはみても

<意味>
夕べの化粧には、鏡に映っているのは、灰かぶり姫である。流行の眉のかたちを描いてみたとしても。

<解説>
第3句「灰かぶり」は、言うまでもなく、サンドリヨン / アッシェンプッテル (Cendrillon / Aschenputtel) の謂いであって、つまりは、シャルル・ペロー (Charles Perrault) の『ペロー童話集 (Les Contes de ma mere l'Oye)』やヤーコプとヴィルヘルムのグリム兄弟 (Jacob und Wilhelm Grimm, genannt die Bruder Grimm) の『グリム童話 (Grimms Marchen)』でのシンデレラ姫 (Cinderella) の事である。
この時季ならば、夕方に行う化粧というのは、アフター・ファイブの、忘年会やらクリスマス・パーティーやらなんやらの様々な催しに向かう為に、するべきものであるのだろう。だが、作者は己自身をサンドリヨン / アッシェンプッテル (Cendrillon / Aschenputtel) に、なぞらえて、それらとは一切、無縁の己を詠う。試みに、最近、流行の眉を描いても、それを観せる / 魅せる相手がいない。

< ページ移動: 1 2 >


コメント投稿
次の記事へ >
< 前の記事へ
TOPへ戻る

Powered by
MT4i 3.0.7