春ノ陽射シニ焦ガレテ詠メル[040)るいの歌集(仮)]
(2013-02-21 18:04:02) by =oyo=


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<画像:20130221.jpg>
耳掃除 膝うへのきみは 微睡むや ゆめを夢みて 独りかも、眠む

るい詠める

<読み>
みみそうじ ひざうえのきみは まどろむや ゆめをゆめみて ひとりかも、ねむ

<意味>
[あなたの] 耳掃除をしている時、 [わたしの] 膝の上に頭を載せているあなたは微睡むのでしょうか、そんな夢を夢観ているわたしは孤独なのかもしれない。嗚呼、眠い。

<解説>
結句は、言うまでもなく、柿本人麻呂 (Kakinomoto no Hitomaro) の「足曳きの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む (Oh, the foot-drawn trail / Of the mountain-pheasant's tail / Drooped like down-curved branch! / Through this long, long-dragging night / Must I lie in bed alone?)」を本歌取りしたモノ。『小倉百人一首 (Ogura Hyakunin Isshu)』のひとつでもあるこの歌は、『拾遺和歌集 (Shui Wakashu)』 に収められている。
本歌の「ひとりかもねむ」を文法的に解釈すると、名詞「ひとり」 + 疑問の係助詞「か」 + 強意の係助詞「も」 + ナ行下二段活用動詞「寝 [ぬ]」未然形 + 推量の助動詞「む」連体形 [疑問の係助詞「か」の存在によって係り結びが成立] である。だから、本来ならば、「ひとりで寝るのであろうなあ」という様な解釈となる。
それをこの歌では、名詞「ひとり」 + 疑問の終助詞「かも」 + ク活用形容詞「眠し」語幹として、上の<意味>に記した様な解釈を行わせている。
最大公約数的に観れば、趣意は同様のモノ、と言う事は出来るだろうが、本歌の寂寥感や孤独感よりもある種の滑稽感が滲み出ている様だ。

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