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からころと 不意のくちづけ 石鹸が ぬるい湯浴びたる 春は曙
<読み>
からころと ふいのくちづけ せっけんが ぬるいゆあびたる はるはあけぼの
<意味>
不意のくちづけでからころと石鹸が [音を立てて転がる]。ぬるい湯を浴びている今は、「春は曙」である。
<解説>
閨事を詠んだモノなので、いつもの様に詳細を書かないけれども、結句「春は曙 (In Spring It Is The Dawn)」は言うまでもなく清少納言 (Sei Shonagon)『枕草子 (The Pillow Book)』初段冒頭の、有名な句である。
この歌の季節を読み込んだモノと解釈も出来るが、この歌で詠われている恋が、その様な時季であるとも読める。
いずれにしろ、第4句にある様に、湯をぬるく感じるという事は即ち、春である証左なのであり、湯よりもさらに熱く感じるモノがある、という意味でもある。