夢観テ詠メル[040)るいの歌集(仮)]
(2013-05-16 17:22:06) by =oyo=


<画像:20130516.jpg>
梳る 幻の母 蚊帳の端に 這ふ嬰児の 姿みへねど

るい詠める

<読み>
くしけずる まぼろしのはは かやのはに はうみどりごの すがたみえねど

<意味>
自身の髪を梳っている母の幻が蚊帳の端に [映っている]。[そのそばには] 這っている赤ん坊の姿は観えないのだけれども

<解説>
母親の幻を観た。そして、そこには一緒にいてもおかしくない、幼い子供の姿は観えない。
字義通りに解釈すれば、その通りなのだが、第4句の「這ふ嬰児」とは、恐らく作者自身の事なのだろう。つまり、自身の母の、母であるよりも女である時を観た、と解釈すべきなのだろうか。
否、それよりも気になるのは、第3句に登場する「蚊帳」だ。時節柄、まだそれが登場するのには早すぎる様にも想えるし、現在の一般家屋で蚊帳 (Mosquito Net) を吊る様な事は、余程の事でもないと、あり得ない光景である。
もしかしたら、それも含めての夢なのだろうか。

(この項:たい)


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