独リ寝ヲ詠メル[040)るいの歌集(仮)]
(2013-06-20 17:39:10) by =oyo=


<画像:20130620.jpg>
独楽よ独楽 踊り果てぬな 閨の中 悶えてあけね 闇と静寂と

るい詠める

<読み>
こまよこま おどりはてぬな ねやのなか もだえてあけね やみとしじまと
<意味>
独楽よ独楽よ、回転を止めてはいけないこの寝室では、悶えながらあけてしまえ、夜の闇と静けさよ。

<解説>
孤閨の寂しさを詠った歌なのであろう、という察しはすぐにつくのだけれども、ぢゃあ、具体的にどおゆう叙景を詠んだ歌かと考えだすと、途端にその解釈が難しくなる。
と、言うのは、ここにある感情は、随分と激しいモノだからだ。
そして、初句に登場する独楽の謎。夜中に独楽回しに勤しんでいるとも思えないから、なんらかの比喩であろうとはすぐに解るのだけれども、それを明から様に指摘するのを、躊躇わせるモノがある。
第2句「果てぬな」は、タ行下二段活用動詞「果つ」連用形に完了の助動詞「ぬ」終止形に、禁止の終助詞「な」。「果ててしまってはいけない」と訳す。
第4句「あけね」は、カ行下二段活用動詞「あく」連用形に完了の助動詞「ぬ」命令形。「あけてしまえ」と訳す。
つまり、この歌には、命令文がふたつもあるのである。

(この項:たい)


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