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匂ふ雨 道化奏でる 手風琴 帽子の底の 夢まぼろし
<読み>
におうあめ どうけかなでる てふうきん ぼうしのそこの ゆめまぼろし
<意味>
雨の匂いがする中、道化師が奏でるアコーディオン [の音が聴こえる。投げ銭受けに置かれた彼の] 帽子の底にあるのは夢や幻 [である]。
<解説>
初句から、恐らく、驟雨が降り止んだばかりか、さもなければ、もうまもなく降りそうな天気なのだろう。その際にみかけた大道芸人のパフォーマンスを詠んだ歌。
そんな天候だから、恐らく、帽子の底には、いくらも投げ銭はないのだろう。その代わりにあるモノが結句に書かれているモノだけれども、それをポジティヴに解釈する事もネガティヴに解釈する事も出来る。
蛇足として付け加えておくと、第3句「手風琴」とは、アコーディオン (Accordion) やバンドネオン (Bandoneon) の事である。