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夕されば 涼呼ぶ雨も 待ちかぬる 濁と一筋 紅ひ潮流るも
<読み>
ゆうされば りょうよぶあめも まちかねる だくとひとすじ あかいしおながるも
<意味>
夕方になると涼しさを呼ぶ雨も、自然と待ちかねてしまう。濁った一筋の紅色の血筋が流れていても
<解説>
一週間前の連日の、猛暑日は一段落。ここ数日は涼しい日々が続いているが、それも単に、相対的なモノでしかなく、夏の暑さの最中にある事は変わらない。だから、夕刻になればざっと一雨、そんなモノをふと待ちかねてしまうのだ。
第2句「涼呼ぶ雨も」とあるから、作者が待ちかねているのは、他にもある筈で、でもその一方で結句にある様な本人の体調なのであろう [と、おもむろに決めつけて解釈してしまっているのだけれども]。
それよりも味わうべきは、第2句「涼呼ぶ雨も」と第4句「濁と一筋」の対句 (Antithesis) 的な表現なのか。
初句「夕されば」は、"夕方になると"とか"夕方が来ると"と解釈すべき慣用句なのだけれども、個人的にはふと「夕去れば」とも解釈したくなる時がある。この場合は必ずしも、相応しくはなさそうではあるのだけれども。