<画像>
我が心 冷たき雨の 雫石見て 季節と共に 移り行きしを見ゆ
<読み>
わがこころ つめたきあめのしずくみて きせつとともに うつりゆきしをみゆ
<意味>
冷たい雨が降っている、そのしずくを見ていると、季節の移り変わりと共に、わたしの心も移り変わっている事に、自然と気づかされる。
<解説>
本格的な秋が訪れると雨の風情も、様変わりしてくる。冷たい雨は、己の心情を客観的に見る事を促し、自省の念に至らせる。
己の中でなにが変わりつつあるのか、この歌では何も語っていない。しかし、己との対話を交わす極めて内省的な歌である事には変わりない。
助動詞「ゆ」は自発に解し、「自然と〜してしまう」「〜せざるを得ない」と訳す。