カテゴリーに問題があるんぢゃないかという御指摘もあろうかと思いますが、番組スタート時は”報道番組”だったんで、まぁ、とりあへずこれでいきます。
前々回が黒澤明特集で前回が崔洋一監督を招いて芸者特集(っていってもお座敷あがった訳ぢゃあないよ、要はfeat.スピルバーグ最新作『さゆり(memories of geisha)』)、そして今回と次回に渡って北野武特集と映画づいているこの番組『スマステーション 5』(通称スマステ 5)。単に北野武監督の新作『TAKESHIS'』 の番宣ぢゃあないかという下衆の勘ぐりもしたくなるのを、ぐっとこらえて真面目(?)にこの番組を考えてみる。
いつもこの番組を観る度に感じるのは、本番組のスタッフの香取慎吾へのまなざしだ。香取慎吾は当然ながら本番組のMCであるから、彼を中心に番組を制作しているのはごく当たり前と言えば当たり前なんだろうけれども、それだけではなくて、どうも、この番組には香取慎吾を「教育」しようというヴィジョンがある様な気がしてならない。
と、いうのは、MCが様々なニュースや話題やトピックスを自らがチョイスし自らの切り口で紹介し論説していくというのが、 この手の番組のオーソドックスな手法だとすれば、『スマステ』全く逆の手法なのだ。
つまり、慎吾ちゃんどう?こんな話題あるよ?こんな事件があるよ?こんな人物がいるんだよ?と、彼の前に様々なメニューを並べて彼の関心や興味を引き出そうとしている様に思える。
だからといって、視聴者の目線に彼が立つというのでも、視聴者の代表として彼を捉えるというのでもない。番組スタッフは、香取慎吾の向うに多くの視聴者を見据えているのではない。
彼らは、ただ単に香取慎吾だけをみているのだ。
と、断言しちゃうと語弊があるのだけれども。