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きみが下 腕も腿も 失せるゆへ 這ふ芋虫か 吾も液吐く
<読み>
きみがもと かいなもあしも うせるゆえ はういもむしか われもえきはく
<意味>
あなたの下で腕も腿も消え失せたので [まるでこれでは] 這う芋虫なのだろうか、わたしも液を吐いている。
<解説>
初句は、読み=解釈の仕方しだいでは、ふたりの人物の位置関係が全く逆になる可能性もあるが、ここでは「きみが下」は「きみがもと」と読んだ。
芋虫 (Caterpillar)、つまり蝶や蛾 (Butterfly And Moth) の幼虫 (Larva) のいくつかは、外敵に襲われると、威嚇の為に臭い液を吐きかけるモノがいる。それを閨中の自身の振舞になぞらえて詠んだ歌。
なお、毒液を吐きかける芋虫 (Caterpillar) とは他に、これも威嚇の為に、自身の身を蠢かして恐ろしげな態勢をとるモノもあって、なんとなく、そちらの方も、ぼくは連想してしまったのだ。
[いや、閨中で作者がそんな擬態 (Mimicry)をすると謂う意味ではないが。]