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こひといふ あひの架け橋 向かふ岸 なつのつかれか 躊躇はるるあき
<読み>
こいという あいのかけはし むこうぎし なつのつかれか ためらわるるあき
<意味>
恋という名目で「来い」と向こう岸にいるあなたに謂われて、逢う為に岸へと向い愛の架け橋を渡る。夏の疲れなのだろうか、自然、躊躇ってしまうのは秋だからだろうか。それとも飽きが来たからだろうか。
<解説>
月も改まって一気に涼しくなった。と、同時に、疲労感や疲弊感に押し流されて、まだまだ夏の続きにいるつもりだが、今年はもうあと4ヶ月しかない。
恋人からの呼び出しに応じて、その許へと向うが、なんとなく惰性に乗っかっているだけでかつてのときめきはない。そんな歌。
初句「こひ」は"恋"と"来い"の、第2句「あひ」は"愛"と"逢い"の、第3句「向ふ岸」は"向こう岸"と"岸に向う"の、結句「あき」は"秋"と"飽き"の、掛詞。それらを織り込んで<意味>を書くと上の様な、とってもくどい解釈になる。
結句「躊躇らるる」は、ハ行四段活用動詞「躊躇ふ」未然形 + 自発助動詞「る」連体形。