秋雨ヲ詠メル[040)るいの歌集(仮)]
(2015-09-10 17:31:03) by =oyo=


<画像:20150910.jpg>
雨音に 耳を閉ざさば その向かふ 囁かるるは やるせなきこと

るい詠める

<読み>
あまおとに みみをとざさば そのむこう ささやかるるは やるせなきこと

<意味>
[自然と耳に入ってくる] 雨音に耳を閉ざしてみれば、その [雨音の] 向こうで囁かれているの言葉はやるせない事である。

<解説>
時季的には例年通りの秋の長雨 (A Long Rainy Period In Autumn) で、秋颱風 (Autumn Typhoon) の季節で少しも不思議ではない筈なのに、妙に、異常気象 (Extreme Weather) と謂う語句が頭の中を駆け巡っているのは、気のせいか。
台風17号台風18号、ふたつの秋颱風 (Autumn Typhoon) のせめぎ合いから、思わぬところで思わぬ災害が発生したり、その警報や注意報が発表されている事を、どう位置付けていいのか、混乱している。
では、とそんな報道やニュースに耳を背けてみれば一体、なにが聴こえてくるのだろうか、と謂うのが恐らくこの歌の趣旨なのだろう。
結句「やるせなきこと」の動詞"やるせない"には、複数の微妙に異なる意味があって、そのいずれを採用してもここでは意味が通じるが、果たしてそのいずれを採用すべきか。そして果たして、その実態は?
余談めいた事を綴れば、ぼくの母親は体調の不具合を"やるせない"と評する事が多々あるが、これは方言かなにかなのだろうか。少なくとも、ぼくの同世代に向けて使用してみたところ、全くもって本意が通じなかった経験がある。
第2句「とざさば」は、サ行四段動詞未然形「とざさ」 + 順接の仮定条件を顕す接続助詞「ば」で、意味は"閉ざしてみれば"となる。
第4句「ささやかるるは」は、カ行四段動詞未然形「ささやか」 + 受身の助動詞「る」連体形 + 係助詞「は」で、"囁かれている [言葉] は" と訳す。連体形の後に体言が省略されていると解し、言葉を補って訳すべきである。

(この項:たい)


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