舞台は箱館 五稜郭。
明治新政府=官軍=薩長軍の総攻撃前夜。
土方歳三(山本耕史)、榎本武揚(片岡愛之助)、大鳥圭介(吹越満)。
この三人の男達が激しく対立する物語として『新選組!! 土方歳三 最期の日』を観てみる。
地位や出自、立場や主義主張の異なる男達が、ひとつの命題を基に、己の意思を明確にして激しく言い争う。しかも夜を徹して。その向こうにあるのは、朝の陽光と三人の和解、そしてあとはその命題の解決に三者一致団結して取り組むのみ。
と、いう風に読み解くと、三谷幸喜監督作品映画『みんなのいえ』の、嵐の一夜の変奏曲となる。と、いう事は、映画『JAWS』で、海洋学者(R.ドレイファス)と鮫退治のプロ(R.ショウ)と警察署長(R.シャイダー)との対立から和解への物語が源流となるのだろうか(『JAWS』の『みんなのいえ』への引用は、三谷幸喜自らが公言している)。