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春きても 眠つたままに つちの中 蟹にも猿にも 忘らるるが良い
<読み>
はるきても ねむったままに つちのなか さるにもかににも わすらるるがよい
<意味>
春が来ても [発芽せずに] 眠ったままで土の中に [居て] 猿にも蟹にも忘れられた存在になるのがいい。
<解説>
立春 (Lichun) はとうに過ぎた。春一番 (The First Of The Spring Gales) もとっくに吹いた。杉花粉 (Allergic Rhinitis) も飛んで、目鼻がむずがゆい。 [ヒトによっては入試やら卒業やらの行事が控えてはいるだろうが] いやでも春から先の事が思いやられてしまう。
でも、いや、だからこそ、と謂う歌なのだろうか。
下句に登場する動物達は民話『猿蟹合戦 (The Crab And The Monkey)』に登場するモノ達であって、確かにその火種となる柿の種の存在に気付かねば、何事も起こらない。平穏な日々が控えているだけだ。