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うちよする むしのしらせを ひとの波 あらう筈なき そのひとの背
<読み>
うちよする むしのしらせを ひとのなみ あろうはずなき そのひとのせ
<意味>
打ち寄せている人の波のうちに虫の知らせを聴くのは、いるはずもないその人の背中 [を見たからだ]。
<解説>
雑踏の中に、知人らしき人物の後ろ姿を発見する。その起こる確率と謂うか頻度と謂うか、可能性に関しては、その場所とその人物との関係性に寄る様に思える。
ぼくが昔、棲んでいた街はとても小さかったので、休日に繁華街に出かけようモノならば、否応もなく、1人や2人の同級生に遭遇してしまう。周囲に隠れてデートも出来ないのだ。
と謂う様な事は他し事だ、それはともかく。
ただ、そんな遭遇を虫の知らせと呼ぶには、相応の理由がある筈なのである。その人物に対してなのか、それとも、その場所に対してなのか。それすらもこの歌では不明ではあるのだが。