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雨音に 誘はれるまま 膝たてて まつもはかなし こがね降るかは
<読み>
あまおとに いざなわれるまま ひざたてて まつもはかなし こがねふるかは
<意味>
雨音に誘われるままに膝を立てて待っているのも儚いものである黄金の雨が降ると謂うのだろうか [いや降らない]。
<解説>
詞書にある「だなえ」はギリシャ神話 (Greek Mythology) に登場する王女ダナエー (Danae) の事で、彼女をみそめた大神ゼウス (Zeus) が黄金の雨に姿を変えて、彼女と関係を持つ。
つまり、梅雨の雨が、黄金の雨となって、恋しいヒトが顕れないだろうかと謂う趣旨の歌なのである。
だけれども、結句「こがね降るかは」の「かは」は、反語の係助詞なので、言外に"降るはずがない"という意がある。