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掌の しろきふたつは くらい影 病葉摘みし 陽射しをおぼゆ
<読み>
てのひらの しろきふたつは くらいかげ わくらばつみし ひざしをおぼゆ
<意味>
掌にある白い [錠剤の] ふたつは暗い影である。病葉を積んだ [夏の] 陽射しを思い出している。
<解説>
第4句「病葉」の読みは"わくらば"。いつまでたっても憶えられず、忘れた頃に登場してその結果、いつも誤読してしまう。だから、個人的な覚書としてここに綴っておく。
その「病葉」は夏の季語。短歌に季語は必ずしも必要なモノではないが、念の為。
第3句「くらい影」は、白い錠剤がつくる影と解釈すべきなのかもしれないが、字句通りに読めば、白いモノを暗いとする、その逆説的な表現が面白いので、そちらを採用してみた。
この暑さ、まだ夏の暑さだが、実は10月。暦に従えば既に冬なのである。