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ぬるい湯に 昨夜のおもひは 絆されて あふるる泪で また顔をあらふ
<読み>
ぬるいゆに さくやのおもいは ほだされて あふるるなみだで またかおをあらう
<意味>
[洗顔の] ぬるい湯に昨夜の感情がほだされてあふれる涙 [止まらないの] でまた顔を洗い直す。
<解説>
第3句「絆されて」は"ほだされて"と読む。語句の原義は"縛る"とか"束縛する"と謂う意味だが、"情に絆される"と謂う成句では"相手の感情に強くひかれる"とか"人情に訴えられて、相手の主張に応じる"と謂う様な意味合いとなる。
初句にある「ぬるい湯」がその契機となって、「昨夜」の感情のほとばしりが反芻されたのだろうが、その結果として結句「顔をあら」ってどんな判断を下したのか、そこの解釈でこの歌の評価は左右されるのだろう。