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橙の 帽をとばして 駈ける児の つちいろ染まる 袖口はべに
<読み>
だいだいの ぼうをとばして かけるこの つちいろそまる そでぐちはべに
<意味>
橙色の帽子をとばして駈けていく児童の土色に染まった(体操着の)袖口は紅色である。
<解説>
転んで起き上がって必死になってはしっているんだろうなぁ、と思う。そして、その児の細部詳細やその児の周囲の情景を思い描く。きっとそれはヒトそれぞれなのだろう。
もしかしてないているのかもしれず、もしかしてその児は最下位なのかもしれない。
初句の「橙」、第4句の「土色」、結句の「紅」と総て同系統の色彩を顕す文字が並んでいるが、それが映えるのも、本来ならば白い筈の体操着なのだろうし、そのうえに広がる青空なのだろう。この歌に描写されていないモノの色彩もまた、様々に連想される。