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吐くいきが つめたき野菜を きるまへに わく湯の音を 眺めてをり
＜読み＞
はくいきが つめたきやさいを きるまえに わくゆのおとを ながめており
＜意味＞
[しろい] 息を吐きながら､冷たい野菜をきるまえに､湯が沸いていくその音を眺めている｡
＜解説＞
冬の朝の調理の情景｡
いつもの様に､上の＜意味＞の欄の為に､歌を口語訳しようとしてふと悩む｡不必要ではないのか､そのまま読んでも意味は通じるのではないか､と｡と､同時に､下の句での音を眺めると謂う部分は単純に逐語訳出来ないのではないだろうか､してもそこにある意味を汲む事が出来ないのではないだろうか､と [でもそのまま読んでいくと､"野菜をきる"と謂う述語に対する主語が"いき"となってしまう]｡
上の＜意味＞に於いて､[しろい] と歌に顕れていない語句を補ったのは､湯が沸けばそこにもしろい蒸気をみる事が出来るだろうなぁ､と謂う類推からである｡深い意味はない｡