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揺れる函 独りしずかに なく女の 二指にからめる 数珠のくろ
<読み>
ゆれるはこ ひとりしずかに なくひとの にしにからめる じゅずのくろ
<意味>
揺れる電車内で独りしずかになく女性のその人差し指に絡んでいる数珠の色は黒である。
<解説>
今日は春分の日 (Vernal Equinox Day)、お彼岸 (Higan) の中日である。故人を偲ぶ日ではある。
第2句「独りしずかに」とは、同じ車内に乗り合わせた乗客のなかで、と謂う意味なのであろうか、それとも、故人を同じくする弔問者達のなかで、と謂う意味なのであろうか。いずれの解釈も可能ではあるが、そのいずれを採用するかによって、歌の意味合いも異なってくる。作者がいずれに帰属するのか、と謂う点も含めて、である。