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くらい旅 ひとのながれに 逆らふに さがしあぐねて いにしへの人
<読み>
くらいたび ひとのながれに さからうに さがしあぐねて いにしえのひと
<意味>
暗い旅の途上で、人の流れに逆らって行くのに、[訪ねる場所を] 探しあぐねて過去の人 [と出逢った]。
<解説>
幾つか解釈で迷う点がある。
初句「くらい旅」とは、なんなのか。光量の多寡への言及でないだろうとは思う。心象を描写したモノに違いないのだが、具体的に説明するのは、短歌だけの情報量では困難だ。
第3句「に」は接続助詞である。解釈上、問題となる点は、この接続助詞は、順接の機能と逆接の機能、全く異なる機能を有している。この歌では果たして、いずれで解釈すべきか。散文であるならば、文章全体に流れから解釈可能なのだが。どちらでも可能な様に思える。上の<意味>では、逆説にしてみたが、なんの根拠もない。
結句は体言で止まっているので、解釈する場合、上の<意味>の様になんらかの語句を補う必要がある。ここでは最も無難なモノにしてみたが、他の解釈の可能性を否定するモノではない。