余韻ヲ詠メル[040)るいの歌集(仮)]
(2019-05-16 17:25:42) by =oyo=


<画像:20190516.jpg>
ふとおもふ おもきことばは 彼のひとの くらきピアノと ひびきてぞこそ

るい詠める

<読み>
ふとおもう おもきことばは かのひとの くらきぴあのと ひびきてぞこそ

<意味>
ふと思うのは、重みのあるその発言はあのひとの暗いピアノ [の旋律] と響いてこそ [心に染みわたるのだ]。

<解説>
悩ましいのは第3句「彼のひとの」が第2句「おもきことば」を修飾するのか、それとも第4句「くらきピアノ」を修飾するのか、と謂う点だ。発言が重いのか、それとも楽音が重いのか、と謂う事である。上では素直に登場順に解してみた。
さらに謂えば、第4句「くらきピアノ」は、音色が重いのかそれとも旋律から受ける印象が重いのか、と謂う点がある。まさか、その楽器に塗られた色彩の事をさしての事はないだろう。
そして、響いたそれがどうなのか、と謂う述部がこの歌にはないので、係助詞こそ」を受ける語句を上の様に補ってみた。ちなみに、その語句は係り結びの法則により、已然形にならねばならぬ。と、謂う事はこの場合、意味は逆説もしくは強調となる。
逆説と解した場合、文意としては、実際には響いていないと謂う事になるので、この場合は、強調と解すべきなのであろう。

(この項:たい)


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