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蒸すゆへに よはに語るも 尽きたをり はしるくるまの 警報ひびく
<読み>
むすゆえに よわにかたるも つきたおり はしるくるまの けいほうひびく
<意味>
蒸しているから、夜中に話している事も尽きたその時に、はしるくるまの警報が響く
<解説>
初句の「蒸す」、第3句の「尽きた」、結句の「警報」、このそれぞれに因果関係はない筈だ。
敢えて謂えば、初句と結句は"風が吹けば桶屋が儲かる (Any Event Can Bring About An Effect In An Unexpected Way)"的な意味での関連性はあるかもしれない。何故ならば、台風10号 (Krosa) が列島を縦断中であるからだ。それがもたらす高温多湿が初句であり、それによるなんらかの被害が結句をもたらしているといえなくもない。だからといって、それを前後に挟むかたちで第3句が登場する謂れは全くないのだ。
無理矢理にこじつければ、結句は非日常であり、第3句は日常の断面である。それを斬り結ぶのが初句と解釈する事は出来なくもない。この時季、夜間と謂えど「蒸す」のは常日頃、すなわち日常であるが、その日常をもたらす遠因が台風10号 (Krosa) と謂う非日常であるからである。
第3句「語る」はラ行四段活用連体形で、接続すべき体言が省略されていると解する。