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衣よりもなほ 嗤ふかの娘は 艶やかで 掌にある墨の ゆくへ喪ふ
<読み>
きぬよりもなお わらうかのこは あでやかで てにしたすみの ゆくえうしなう
<意味>
[彼女が着ている] 衣服よりもさらに、笑っている女性 [のその笑顔] があでやかなので、掌にした墨をどこに用いたら良いのかわからなくなった。
<解説>
下の句の<意味>は殆ど意訳である。だが、解釈上は決して難しい作品ではない。
大昔の、小学生 (Primary School Student)の頃の、 (Arts And Crafts) の授業を思い出してみると、最初に用いるのは墨 (Inkstick) だった。割箸 (Half‐split Chopsticks) を削ってつくった割箸ペン (Half‐split Chopstick Pen) で、下書き [これも黒い画鉛筆 (Drawing Pencil) だ] の上をなぞる。その後に、描いた輪郭にならって彩色していくのである。
だけれども、実際に描く対象は決して墨色の輪郭なぞもっていない。そこで矛盾が生じる [学年が上がると。その画法は逆に否定されるのだが]。
この歌を読んで想い出したのは、そんな事柄である。