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匣のなか 巫女が如くに うたふ唄 振りこと化して 揺るる灯火も
<読み>
はこのなか みこがごとくに うたううた ふりことかして ゆるるとうかも
<意味>
矩形のなかで巫女であるかの様に歌う唄も振子と化して揺れている照明も [趣きがある]。
<解説>
比喩がふたつ、第2句「巫女」と第4句「振りこ」、いずれも直喩 (Simile) である。そして、もしかしたら初句「匣」も比喩なのかもしれない。ある画面のなかと解する事も出来ようし、詞書をみればこの歌の主体は「女優」、彼女が演技している空間のなかの、ある舞台設定を指しての事なのかもしれない。
下句を読んで思い出すのはバウハウスの楽曲バウハウス (Bauhaus) の楽曲『シーズ・イン・パーティーズ (She's In Parties)』 [アルバム『バーニング・フロム・ジ・インサイド (Burning From The Inside)<画像:>』収録 1983年発表] なのだが、その様なモノなのだろうか。サーチライト (Searchlight) 的な使用を指してのモノかもしれない。
この歌には解釈上、述部となる語句が欠如している。上の<意味>では最も無難なモノを充ててみたが、それ以外の理解も十分に可能性はある。
その女優が誰なのか、と謂う部分も含めて、多様な解釈が推し量られる。